集中力を高める方法
どうしても気持ちが乗らない時があるのも当然なので、そんな時にも集中力を高めて持続させるためには一定の手続きを踏む習慣を持っておくとよいでしょう。条件反射で意識を高められるようになるので、体調や気分に左右されずに済みます。
アスリートの中にも試合やプレーの前に一定の動作を行って、集中力を高める習慣を持っている選手がいます。メジャーリーガーのイチロー選手が打席に入る前に、毎回同じ動作をするのは有名な話です。
これはスポーツに限った話ではなく、仕事や勉強の前に集中力を高める目的にも使えます。たとえば、決まった音楽を聴いている間に意識が研ぎすまれていく人もいれば、指を鳴らしたり、こめかみを押さえたりする人もいます。特に決まったルールがあるわけではないので、自己暗示をかけやすい方法、あるいはモチベーションを高められそうな方法を試してください。
できれば人前でも行える方法にしておくと、集中力を高めたい時に使いやすいのでお勧めです。たとえば、勉強の時に使っている方法を受験で平静を保つために応用したいと思ったときには、周りの受験生に見られてもかまわない方法でなくてはなりません。
音楽は意識を高めるために効果的である反面、使用できる場面が限られるのが難点です。一般的な企業であれば、仕事の前に音楽を利くのは集中力を高める効果があるとしても認められないでしょう。反対に勉強の時やスポーツの試合の前に使うなら、携帯用音楽プレーヤーがあれば広く使用できます。
集中力の持続時間
いくら頑張ったところで、人間の集中力には持続時間に限界があります。90分が一つの目安とされる例が多いものの、内容によってはもっと短く区切らなくてはなりません。
大学の講義や一部の高校が1時限を90分にしているのは、勉強に要求される集中力の持続時間が90分程度であるためです。これに対し、よりストレスが溜まる作業であったり、細かい仕事ならもっと短い時間を目安にして休憩を入れるべきです。
勉強なら脳がある程度働いていればかまいません。しかし、仕事によってはもっと高度な集中力が必要なケースもあるので、消耗の激しさを考えると持続時間も短くなってくるのです。
当然ながら集中力の持続時間には個人差もあるので、自分でペースを調整できるのであれば、適切なタイミングで休憩を取るように心がけておけば能率をアップさせることができます。会社での仕事のように、勝手に休むわけには行かないのであれば、トイレに行ったり、他の作業に切り替えて気持ちを新鮮にしておくのも一つの方法です。
集中力アップのためのトレーニング
大原則として、時間を長くするよりも濃度を上げることが集中力を高めるトレーニングにおける優先順位は上です。持続時間は後からついてくるものなので、最初から重視する必要はありません。
勉強であれば、いきなり1時間に設定するのではなく、最初は5分から始めてみて、自然に持続できるようになったら徐々にトレーニングのためにも時間を長くしていくと、集中力をアップさせることができます。
一瞬の勝負となるスポーツのために集中力をトレーニングするのなら数分単位ではなく、競技によっては数秒単位で行ってもよいでしょう。たとえば、野球なら打席に入っている時間で十分ですし、サッカーならもっと持続しなくてはこまるので、競技によって性質が変わってきます。
体を鍛える時には、持久力と瞬発力はまったく別のメカニズムであるのに対し、集中力をアップさせるためには短い時間に全力を尽くせるようにしておくと、結果的に長く続くようになっていくので、必要な持続時間よりも短めに設定してから、全力で仕事や勉強、スポーツのトレーニング等を行うようにしてください。
集中力を高める食べ物
青魚のようにDHAが豊富に含まれている食べ物は脳の機能を促進するとされています。他にもレシチンにも頭の働きを改善すると考えられており、集中力のアップにも貢献するとされています。
しかし、食事は様々な栄養素が総合的に働いて意味をなすものです。特定の食べ物だけで十分に機能するわけではないので、魚ばかりを食べれば集中力を高めることが出来るわけではありません。
さらに留意しておきたいポイントとして、体調が悪いと集中力は落ちます。たとえば風邪を引いて頭痛がひどい状態で、元気な時と同じレベルのパフォーマンスを見せようとしても無理があるのは経験的に理解できると思います。この意味でもバランスの取れた食生活は重要で、色々な食べ物を組み合わせる必要があるのです。
炭水化物やたんぱく質、脂質、ビタミン、ミネラルといった基本的な栄養素の一部が欠乏していたり、過剰摂取になっているのなら要注意です。特に脂質や糖質、塩分は現代人が多く摂りがちな傾向にあるので気を付けてください。
集中力が持続しないのは理由がある
モチベーションの低さや環境の悪さといった原因があると、どうしても集中力が高まらなかったり、持続しなくなってしまいます。頑張ろうと思うだけでは十分な結果を得られないケースが少なくないので、身の回りの状況の整備が求められる例もあります。
集中力をアップさせるには、余計な情報や刺激を遮断するためにテレビを消したり、目に付く範囲に興味のあるものを置かないように心がけることが必要です。イヤフォンやヘッドフォンで音楽を聞くと、雑音を遮断する効果もあります。完全に無音を目指すよりも、耳障りな音を消すほうが重要です。
せっかく気持ちが整っているのに、携帯電話が鳴って集中力を削がれてしまうのも残念なので、電源を切っておいたり、マナーモードにしておくことも重要です。理想としては、周りから話しかけられないようにしておくのも集中力を高めるのに有効です。職場によっては、電話や打ち合わせをしないで、手元の仕事に没頭する時間帯を設けている場合もあります。それがなければ、自ら作っていくしかないでしょう。
作業を大きなかたまりとして捉えるのではなく、細分化して短時間で課題をクリアしていけるようにするのも、気持ちを途切れさせないために有効です。充足感をこまめに味わっておけば、それによって集中を維持するモチベーションになります。