前向きになれる言葉
日頃から口にしている言葉を聞いていると、その人の人格を推測することができます。前向きな考え方ができる人なのか、どのようなことに興味があるのか、そうしたことが反映されるためです。
反対に言葉を変えれば前向きになることもあれば、反対にネガティブな方向に気持ちを落ち込ませてしまうこともあります。これは自分で変えられるものなので、意識すればコントロールできます。
前向きになれる言葉の例としては、「さあ、始めよう」「実現できる方法は見つけられる」「新しい手段を見つけよう」「失敗のままでは終わらせない」といったものがあります。
普段からマイナス思考が顔を出してしまい、思うように行動できないのが悩みなのであれば、自分を奮い立たせるう言葉を使ってみてはいかがでしょうか。誰だって不安や悩みと葛藤しながら生きています。そんな中で前向きになるために発する言葉に気をつけてみるのは、手軽にできる方法ではないでしょうか。
自分が前向きになれる言葉を選んで使っていると、そうした言葉を好む人が集まってくるようになっていきます。結果的にプラス思考の集団の中に身を置きやすくなるというメリットがあります。これに対し、ネガティブな言動ばかりだと、マイナス思考の人が周りに多くなっていくので注意が必要です。
いつも前向きになれないのは当然
どんな時にもプラス思考で頑張っていきたいと思いながらも、それを実現できないためにフラストレーションを抱えている方もいるのではないでしょうか。そんな時には、思い切って力を抜いてみるのも一つの方法です。そもそも、いつも前向きでいるのは発想として無理があるうえに、あまり有意義でもありません。
人間は一年中努力ばかりはできないようにできています。休む時もあれば手を抜くべき時もあり、もちろん全力を尽くさなくてはならない時もあります。要は勝負どころで前向きになれるのなら、それで十分です。
いつも頑張ろうとする結果、途中で力尽きて脱落してしまったり、力を均等化するために常に手を抜くようになっては何の意味もありません。いつも前向きではなくても、肝心な時だけコントロールできれば十分なはずです。
日本人は真面目なので、いつもプラス思考でいなくては裏表があるように感じてプレッシャーを受けてしまったりします。しかし、普段のルーティーンをこなすだけなら、何気なくできるはずです。たとえば、お風呂に入ったり歯を磨くのに、前向きになれるかどうかは関係ありません。新しい仕事を始めたり、恋愛をはじめとした人間関係を築いたりする場面こそ、力を入れるべきです。
ここぞという場面で力を発揮できるために前向きになる必要があるだけで、いつもポジティブでいる必要はありません。疲れてしまったら続かないので、息を抜くことも必要です。
明るく楽しく前向きに考えるのは危険
人から好かれようと思ったら、暗い性格よりも明るく楽しく生きている方が望ましいのは事実です。そのため、ある種の美徳とされている部分もあり、前向きに努力していれば他人からの承認を得やすい傾向にあります。
しかし、これは赤の他人だからこそ思うだけで、いわば周囲にとって都合が良いだけです。たしかに陰気な人が身近にいるよりは、明るく楽しく前向きに生きている人に囲まれている方が気分がよいでしょう。ただ、本人にとっては、一歩間違えると思慮が足りないだけになりかねないのです。
たとえば、仕事帰りには明るく楽しく前向きに仲間と飲みに出かけ、貯金も金融資産もないままに年を取ってしまえば、老後には困ることになります。それで生活保護を受給するようになれば、他の納税者の犠牲のうえに彼(彼女)の放漫な生活が成り立っていたことになるのです。
事業を始めるにも、前向きな気持ちばかりが先行して見通しが甘ければ、計画の段階で挫折が運命付けられてしまいます。うまく進んでいるように錯覚できる時期は楽しく暮らせても、現実が分かれば先行きが明るくないのが分かってしまうでしょう。
前向きやプラス思考は一長一短
多くの人が前向きになる方法を試そうとするのは自然なことです。それによって利益を得られるケースが多いため、間違った行動方針ではありません。しかし、プラス思考だけを突き詰めていくと、それもリスクを負っていることになるのです。
反対にネガティブな気持ちばかりに支配されてしまえば、やる気も起きないので無気力に生きていくことになります。これでは人生を楽しめず、生産的でもないので、前向きになっておいたほうがよいでしょう。
結局のところ、前向きな気分と慎重さ、あるいはマイナス思考といったものは相容れないものではなく、それぞれを持ち合わせていなくては上手に機能しません。同じ人であっても、調子の良い時には気持ちが大きすぎてしまったり、失敗が続くとネガティブになりすぎたりするので、バランスを取っていくことを求められます。
前向きになり過ぎたために落とし穴にはまってしまったり、マイナス思考で身動きが取れなくならないように、自分の人生を上手にコントロールするためには感情の自己分析が必要です。そして、言葉を上手に使えば他人だけではなく、自分自身にも良い影響を及ぼすことができるのです。