人見知りを直すのは難しくない
初対面の人と打ち解けるのが苦手なために困っている人でも、ちょっとしたテクニックがあれば、人見知りは克服できます。多くの場合、正しい方法で直そうとしないために放置されてしまっていたり、苦労した割りに効果が出なくて嫌になってしまっているだけなのです。
自分が人見知りでない人にとっては、特別な方法なんてなくても気持ちで克服できると誤解されがちなために、性格を直すように言われるだけで役に立つアドバイスをもらう機会は多くありません。そのためにストレスばかりが溜まってしまっている方が多いのです。
大きく分けると、人見知りの原因には軽い対人恐怖症のように相手の人柄が分からないために不安であることと、会話が続かないのが辛くて遠ざけてしまうことがあります。どちらが大きな割合を占めているかによって、克服のためのコツも異なります。
まずは見知らぬ人に対して警戒してしまう場合の克服の方法について見てみましょう。前提として理解しておいてほしいのは、未知への警戒は動物の本能として当然のもので、劣等感を持つ必要はない点です。むしろ極めて自然な反応です。ただし、現代社会においてはコミュニケーションが重要になっているので、あえて話しかけなくてはならない場面もあるのです。
大抵の場合、相手にとっても多少の警戒と、それを解きたい気持ちがあります。あなたから心を開けば、相手も同様にふるまってくれることが多いと認識するのが人見知りを直すための第一歩となります。世の中には色々な人がいるので、実際には一筋縄ではいかない面もあるものの、会話をするのが自然な場面である限り、ほとんどの人は嫌がったりはしないはずです。
会話が続かないのが悩みなら、深く知らない人との話に役立つ話題をいくつか用意しておきましょう。たとえば出身地、趣味、職業(学校)、恋人の有無、休日の過ごし方といったものです。いくら人見知りしない人であっても、初対面で相手と打ち解けるのは容易ではありません。最初はコミュニケーションを表面的でよいので円滑に進めておければ十分と考えておきましょう。
たとえ興味深い話題ではなくても、気まずい沈黙を回避してくれるだけでも十分に重宝されるはずです。ある程度の型を作ってしまえば、後はそれを応用していくだけなので人見知りを克服する方法としても手軽にできるはずです。
人見知りしない人の共通点
初めての人にも何の苦手意識も持たずに声をかけられる方を見ていると、いくつかの共通点があるのが分かります。人見知りしない人がうらやましいとぼやくよりも、テクニックを自分のものにしてしまいましょう。
まずは会話がスムーズである点です。これは話術に長けているわけではなく、初対面でも使える話題を持っているために困らないのです。そのため、同じような質問を色々な人に繰り返しているだけである場合もあります。それだけでも人見知りを克服する足がかりになります。
相手も話さなくてはならないと思っているなら、自分から近づいたほうが相手のためになると思い、ちょっとしたボランティア精神を発揮しているケースもあるようです。たしかに、人見知りな訳ではなくても積極的に話すのが戸惑われることは多いので、納得できます。自分の利益ばかりではなく、相手を思いやっての行動なら実行しやすいのではないでしょうか。
人見知りしないからといって、子供の頃から話すのが得意だったわけではなく、進学や転校に伴って人間関係を作る必要が生じた時に努力していたり、社会人になってから営業で鍛えられているケースもあるので、トレーニングの成果であるケースも見受けられます。
赤ちゃんの人見知り
ある程度の年齢になった子供ばかりではなく、赤ちゃんでも人見知りをします。誰にでも気を許す赤ちゃんもいれば、親の手を離れると泣き出してしまうこともあるので、かなりの個人差があります。
赤ちゃんのうちに人見知りを直しておかないと、大きくなってから大変と心配する親もいるものの、成長する過程において自然に克服するケースも少なくないので、あまり気にしなくてよいでしょう。小さい頃に神経質になってしまうのは、子供にストレスをかけることになりかねません。
実際に人見知りの赤ちゃんだったのに、大人になったら社交的になっているケースは少なくありません。ある程度の年齢に達すれば、コミュニケーション能力が重視されるようになるので、そうした力を年齢に応じて身につけられるかどうかが問題なのです。
人見知りは短所か
一般的には初対面の人とも簡単に打ち解けられるのは長所とされ、人見知りは短所と捉えられがちです。しかし、実質的に見てみると、必ずしもそんなに単純なものではありません。
実際にどのような場面で人見知りがマイナスに働くかを考えてみましょう。たとえば就職や転職、進学等によって周囲の環境が一変する時に、友人を作ったり周囲に溶け込むのに不便であるのは事実です。しかし、ほとんどの方は結局なじんでいきます。その範囲であれば、それほど困り者ではないのです。
仕事をする際に人見知りは不利になるケースもあります。たとえば、飛び込み営業をしなければならないのに、緊張してしまっては理想的とは言えません。この問題は自分の職種を適切に選べば回避できるものの、仕事の幅を限定してしまうのも事実です。そのため、人見知りを克服するのに求められる努力と、営業の仕事への適正を獲得することに伴うメリットを比較して判断すればよいでしょう。
恋愛において、人見知りであるために出会いがないと嘆く人もいます。半分は真実でしょう。しかし、それも含めてその人の人格を形作っていると考えると、無理に変える必要はないとも考えられます。社交的で快活な人ばかりが求められるわけではなく、内気な性格を認めてくれる人もいることを考えると、無理に性格を変えるのが必ずしも良い結果を招くとは限りません。
このように、人見知りは常に短所と呼ばれるべきではないことが分かります。コンプレックスを強く持ちすぎてしまうと、それによって引っ込み思案になってしまったり、前向きな気持ちを持てなくなるので、その弊害こそ恐れるべきかもしれません。