緊張しない方法
プレッシャーを受ける場面にはパターンがあるため、そうした状況で緊張しないための方法を知っておくと、ストレスを感じずに済んだり、失敗を防いだりすることにつながります。
緊張しないためには準備が重要なので、何もしなければうまくいかない、あるいはこれまでに工夫してみたものの、成功しなかったという場合でも、方法を変えると事情が変わる可能性があります。
たとえば、古典的な方法としては手の平に「人」の文字を書いて飲み込むという方法があります。これまでにうまくいって良い印象があるのなら、成功体験が脳裏をよぎることで緊張をほぐす効果を期待できるものの、そうした経験がなければ、この方法はお勧めしません。
それよりも、太ももや腕をつねる、自分の指で指を強めに押してみるといった方法の方が、緊張しないために有効だと思います。これは痛覚や触覚といった体の感覚を刺激することによって、意識を他の部分にそらせるのです。
他には大きな声を出せる場所があるなら、大声を出すのも有効な対策です。これも身体感覚を刺激できるうえに、緊張すると小さくなりがちな声を出しておけば、いざと言う時にも小声になって印象が悪くなるのを防げます。
事前の準備と、すでにプレッシャーにさらされている状態で気持ちをコントロールする方法はまったく別々なわけではなく、どちらにも共通する部分があるため、すでに緊張してしまっているとしても、その状態から抜け出すのは難しいことではありません。
緊張をほぐすために
あがってしまったとしても、焦らないでください。そこで慌ててしまうと、かえって泥沼に入り込む危険があります。むしろ落ち着いて緊張をほぐすことに集中しましょう。
余裕のある場面であれば、これから成功するイメージを作ってみましょう。不安に集中するのではなく、成功にフォーカスすると気持ちがリラックスしやすくなります。自然に緊張をほぐすことにつながるので、現実ばかりを見るのではなく、自分が望む近い未来を想像してください。
そこまでのゆとりのない状況なら、空気を変えてしまう方法もあります。たとえば、何かを思いついたことにして、手を叩いて音を出してみるのも一つの方法です。あるいは携帯電話に着信があったことにして、会話をしている演技をしながら冷静になるための時間を作ってもよいでしょう。
緊張をほぐす方法には、この他にも自分の中で一定の動作を決めておく方法があります。いわゆるジンクスというもので、どんな場面でも行えるちょっとした動作がよいでしょう。たとえば、右耳を触る、背中を軽く手で叩く、といったものです。気持ちをリラックスさせるきっかけは、人目についても平気なものを選んでおかないと使い勝手が悪いので、注意してください。
緊張による震えが出たら
気持ちばかりではなく、体にも変調が出てしまうケースとして震えがあります。主に手足に症状が現れ、緊張しやすい人には深刻な悩みになっているケースもあります。こんな時の対処法について見てみましょう。
まずは緊張をほぐすのは当然としても、それ以外に肩や足に力を入れ、その直後に脱力してみましょう。何度か繰り返すと、体が自分の思うようにコントロールしやすくなります。震えが生じるぐらいになると、自分の足元がぐらぐらしているように感じたりするので、まずは制御が可能な状態に戻すのです。
本当は大きな声を出したり、体を動かしてみるのが有効であるものの、それが可能な場面で震えがくることは少ないため、あまり現実的な対処法にはならないでしょう。いったん席を外せるのなら、そこで緊張を緩和させておくのも一つの方法です。
この他にも、靴の中で足の指を動かし、地面をつかんでみるのも、周りからは分からない動作です。震えを止めようと思うよりも、動かして感覚を取り戻すほうが妥当な解決策です。
緊張の持続時間
いくらプレッシャーのかかる場面であっても、人間の集中力が続く期間には限界があります。そのため、緊張の持続時間についてもおのずと限りがあります。何日も極限状態がずっと続いているという経験はないはずです。
持続時間はある程度の個人差があるため、自分の場合について理解しておくと役に立ちます。たとえば、人前に出て緊張してしまうとしても、長い時間になると徐々に平気になっていることに気付く場合があります。こうした事実を知っておくと、実はリラックスできるのが分かります。
緊張の持続時間は集中力が続く長さにも似ています。あまりにも固くなってしまうのは問題でも、適度な緊張は気持ちを落ち着かせて物事に真剣に取り組む原動力になるので、だらけているよりも望ましい状態であるためです。
要は適度な緊張をキープして、邪魔になるほどの状態を防ぐのが重要なのです。持続時間があることからも、シチュエーションによって必ずもたらされるわけではなく、実は事情によって影響を受けると分かるはずです。
緊張型頭痛
ストレスや不安な気持ちが続くこと、睡眠不足といった原因によって肩こりや首の張りと共に現れるのが緊張型頭痛です。徐々に症状が現れ、長引くのが特徴です。
緊張型頭痛の持続期間としては1週間から2週間ほどが多いものの、中には1ヶ月以上継続するケースもあります。深刻な病気でないことを確認するためにも、病院に行って検査を受けておくと安心です。それによって気分が楽になるだけでも無駄ではないはずです。
自分では緊張型頭痛と認識していても、病院で診断を受けたら深刻な脳の病気が見つかるケースもあるので、勝手に判断しておくのは望ましくありません。
緊張型頭痛の治療には消炎鎮痛薬や抗うつ薬等を使用します。深刻になると日常生活にも支障をきたしかねないので、無理に我慢するよりも病院に足を運んでおきましょう。気の持ちようだけで解決できる問題でもないので、医師の助けを借りたほうが懸命です。