人付き合いが疲れるのは自然な感情
現代社会において他人との関係でストレスを抱えている人は多くなっています。自分は人付き合いができないと悩みを抱えたり、面倒くさいと感じている方は特別なわけではなく、ごく普通のことなのです。
コツをつかめば人付き合いが苦手な方でも相手との関係を悪化させずに済みます。また、面倒くさいと感じる相手と無理に接するのは疲れるだけなので、上手にかわす技術を持っておくと便利です。
人付き合いができない、あるいは苦手である人であっても、対人恐怖症でまったく話せないわけではなく、面倒くさい部分が大きいのではないでしょうか。そうした悩みは少しのコツで解決できる場合があります。大切なのは距離感と力を入れるべき場面なので、無駄に疲れるのは避けておきましょう。
一緒にいて疲れる人の相手をして、自分は人付き合いが苦手と悩みを持ってしまうのは望ましくありません。シチュエーションや相手に合った対応をすることで、面倒くさい思いを減らせる上手な立ち振る舞いを目指して下さい。
人付き合いのコツ
人間関係で重要なのは距離感と強弱です。つまり、ぐったり疲れるほど近くに寄ったり、不自然に遠ざかったりするのではなく、相手との関係性を踏まえて自然な人付き合いになるようにしておくと、エネルギーを無意味に消耗せずに済みます。
密着するのが疲れるのは当然としても、人付き合いが面倒くさいと思っている人にとって、距離を置くのは得策に思えるかもしれません。たしかに、二度と会わなくてよい人ならそれでよいでしょう。しかし、関係が続くのであれば、後になってから気まずい思いをしなくてはならないため、そうならない程度には関わりを持っておくのがコツと言えます。
強弱はアクセントと言い換えてもよいでしょう。会いたいと思わない相手との人付き合いは最小限にとどめるものの、顔を合わせたら丁重に話をする、あるいは年賀状やお中元のやり取りといった相手との関係で決まっている部分については、事務的でもよいので送っておくということです。
世の中には無数に人がいるので、すべての人と良好で深い関係を築くのは不可能です。だからと言って、仕事や親戚付き合いといった必ずしも希望しないものでも、すべてを削るわけにもいかないので、相手に合った対応をするのが負担を減らすコツです。そのうえで、会った時ぐらいは誠実に対応すること、そして望まない人とは極力対面する機会を減らしておくとストレスを軽減できます。
人付き合いができないわけではなく、ただ無意味に思えて疲れると感じる方は、会話の練習と考えてもよいでしょう。目の前の人には用がなくても、同じような年代や性別、思考回路を持った人と何らかの交渉をする機会はあるかもしれませんし、ぶっつけ本番よりは事前の練習があった方がよいでしょう。こう考えると、少しは意義を感じられるのではないでしょうか。
疲れる上に意味がないと思えば、人付き合いなんて必然的にうんざりするだけになります。しかし、そこに何らかの意味を持たせられれば、新鮮な気持ちを抱くこともできるはずです。
面倒くさい人付き合いをリストラする
誰にでも丁寧に接したいと思っても、嫌な人が身の回りにいては人付き合いで疲れる原因になり、苦手意識を持つことにだってなりかねません。そこで、上手に相手を選ぶことが必要になります。
面倒くさい相手の中で、親交がなくてもまったく困らない人についてはあえて会う必要はないでしょう。問題は、仕事や他の友人との関係、親類といった何らかの事情を抱えているケースが多いために、疲れる人付き合いを思い切って削減できない点です。
しかし、この場合でも相手からの誘いを丁重に断って距離を置けば、実質的な負担は減らせます。同僚や上司から飲みに誘われるのなら、スキルアップのために勉強していることにしたり、英会話教室に通っている設定にしてもよいでしょう。お酒を控えるように医師に言われている、家族やペットの体調が優れないので家に早く帰りたいといった口実も有効で、これなら面倒くさい人付き合いを上手に回避し、あまり不愉快な思いをさせることもないでしょう。
友人(知人)であれば、最近は忙しくなっているので会う時間を作れない、というのが妥当な理由の一つとなります。メールや電話も返信の頻度を減らしていけば、よほどしつこくなければ連絡が減っていくはずです。
一緒にいて疲れるだけで有益ではない相手に煩わされ、結果的に本当に重要な人付き合いができない、あるいはそれ以外に時間を回せないのでは人生の一部を他人に奪われているのと同じです。コツをつかんでこうした関係を減らしてしまえば、もっと優先順位の高い時間の使い方ができるようになります。
人付き合いの悩みを減らす近道
日本人は欧米に比べて社会性が高く、他者との関わりを重視する傾向にあるとされています。コミュニケーションを大切にするのは悪いことではないにしても、それによってストレスや悩みを抱える人が多いのも事実です。
しかし、冷静に周りを見回してみると、本当の意味で自分にとって不可欠な人付き合いは少ないのではないでしょうか。この1週間に会話を交わした人の人数、そしてその中で絶対に必要な相手の人数を考えてみてください。
まじめであるために悩みを持ちやすいのなら、時には真剣に考えすぎずに力を抜いてみてはいかがでしょうか。人間は自分で環境を選べるので、わざわざ苦手な人と一緒にいて、うまく人付き合いができない自分を責めたり悩みを抱えたりしなくたってよいのです。
職場での人間関係であれば、簡単に転職するわけにはいかないために相手との関わりを断つのは難しいにしても、コツをつかんで人付き合いをすれば負担は減少します。その際、理解を求めるのではなく、仕事上の関係と割り切ってしまいましょう。
同じ人間であると思いすぎると、無理に相手を変えようと思ったり、理不尽に感じたりしてしまいがちです。それよりも、最初から相互理解など不要であると割り切り、表面上の人付き合いと考えておけば必要以上に疲れないで済み、悩みも減るはずです。生真面目に考えすぎて自分を責めるのはやめましょう。