プラス思考になる言葉
人間の気持ちはちょっとしたきっかけで変わります。心理状態に大きな影響を及ぼす要素の一つに言葉があります。常に後ろ向きな言葉を使っている人はマイナス思考に陥ってネガティブになりやすく、反対に前向きな言葉を使えばプラス思考になる傾向にあるのです。
そのため、プラス思考になる方法としては、自分が口にする言葉を見直してみることが挙げられます。「できない」「自分には無理」「そんなことをしても意味がない」と口にしていれば、自然にマイナスの方向に引っ張られます。
「方法を考えてみよう」「きっと結果はついてくる」「悩むのは無駄にならない」といった前向きな言葉を使うようにすれば、自然にプラス思考になるはずです。何を言うかは、心がけ次第で簡単にコントロールできるため、諦める癖が付いていたり、モチベーションが上がらなくて困っているのなら試してみてください。
プラス思考になる言葉を自分で発するだけではなく、耳や目からも取り入れれば効果は増します。つまり、後ろ向きな話に耳を傾けるのではなく、エネルギーに満ちている人、情熱的に行動している人と積極的に関係を持つようにします。勢いのある起業家やビジネスマンは自分と同じような人達と関わる機会が多いため、一般的なサラリーマンよりも前向きに挑戦できます。あなたも身の回りを見渡してみてください。
世の中ではプラス思考になる方法を求める人が大勢おり、やる気を出していきたいと考えている人が少なくありません。しかし、そこには落とし穴もあります。進歩しているつもりが、思わぬところで足をすくわれる結果にならないように、リスクについても把握しておきましょう。
プラス思考がダメな理由
もっとも危険なのは不注意や脇の甘さとプラス思考を同一視しているケースです。ただ計画が甘いのと、前向きに新しいことにチャレンジするのは意味合いが全く異なります。
たとえば新規事業に挑戦する時に、事業計画に不備があれば開始前に失敗が決まりかけているようなものです。こうした人が口にするプラス思考がダメな理由として、向こう見ずや準備不足の口実になってしまっていることが挙げられます。
用意周到にスタートしなくてはならないビジネスを、破綻するのが必然と呼ばれるような状況で立ち上げるのは不注意であり、あまりにも無用心です。挑戦するのが大切という前向きな言葉を使って過ちを正当化する人がいるものの、これではプラス思考がダメであると言われても仕方ありません。もっとも、この場合の原因はその人にあるため、本質的にはプラス思考がダメな理由にはならないでしょう。結局は使い方次第なのです。
他にもプラス思考がダメな理由として、チェックが甘くなりがちである点が挙げられます。どうしても前向きになると新しいことに挑戦したり、夢を見ようとします。そのために足元が見えなくなり、日常業務にミスが増えたり、商品の欠陥に気付かずに出荷してしまうというリスクも出てくるのです。
プラス思考になるのが必ずしも理想ではないのは、このような理由によります。もっとも、完全にダメであるわけではなく、気持ちのバランスを取ることが重要です。実際、多くの日本人にとってはプラス思考になるのは役に立つでしょう。問題なのは、行き過ぎになったり、他の要素を犠牲にしてしまったりすることです。
プラス思考とマイナス思考は対立しない
一見するとプラスとマイナスはまったく別の方向であるような印象を受けます。しかし、マイナスの数字同士をかけるとプラスに変わるように、両者は必ずしも対立する存在ではありません。
プラス思考は前向きな気持ちを生み出すためにモチベーションのアップにつながり、精力的な活動を支えます。これに対し、マイナス思考はやる気を失わせるばかりではなく、慎重さや冷静な判断を促す効果もあります。
そのため、両者を上手に組み合わせて車の両輪のように活用することができるのが理想です。マイナス思考は悪でプラス思考は正義というような単純な話ではなく、人生をうまく生きていくために両方が必要なのです。
臆病になりすぎて行動を起こせなくては、成功を手にするのは不可能でしょう。しかし気持ちばかりが先走って勢いあまり、結局は失敗してしまうのも望ましくはなく、事業であれば多額の負債だけが残ってしまうかもしれません。プラス思考とマイナス思考は一方だけでは十分に機能しないのです。
自分にどちらが足りないのかを考えるのが、うまく生きていくために必要です。いつでも思い切りがよい反面、準備不足で後悔しがちなのであれば、マイナスの発想で落とし穴の有無を確認してみるとよいでしょう。
プラス思考は潜在意識を変えるのか
前向きな言葉を発するように心がけるといった方法によって、潜在意識まで変えることは可能なのでしょうか。表面的な気持ちに比べ、潜在意識はコントロールが難しいとされているため、一筋縄ではいかない部分もあるのが実際です。
たとえば、掛け声だけでも当面のやる気を引き出すのは可能です。しかし、その程度で潜在意識にまで働きかける効果は期待できないでしょう。しかし、プラス思考が定着してくれば、やがては潜在意識にも到達するはずです。
何を感じ、何を思うかは、毎日の食事や水のようなものです。良いものを食べれば健康になるように、プラス思考になるように心がけておけば、徐々に潜在意識にも変化が現れてくるでしょう。そうなってくれば、無理に頑張ろうとしなくても、自然に行動を起こせる人間になれます。
仕事やその他の方面で成功している人を観察すると、最初は無理をしているように見えていたのが、徐々にその人が変化して活動的になっているように感じることがあります。これはプラス思考や経験が潜在意識にも影響を及ぼしていると考えられます。